愛されたかった悪女
「……ごめん……いなくなるんじゃないかと不安で、離れて見ていたんだ」


「ジョン……ごめんなさい……そしてこんな私を愛してくれてありがとう」


私はジョンの身体に腕を回し預ける。


「不安だったのよ……私はあなたに愛される資格がない女だか――」


「そんなことはない!愛している。何もかも捨ててふたりで一から作り上げていきたいんだ」


「ジョン……」


「君の過去なんて関係ない。今でも君の為なら何でもできる」


ジョンは抱きしめる力を強め、私の額にキスを落とす。


「ジョン……」


ジョンの優しさが欲しい……何よりも欲しい……。


「まだ君がハヤトのことが好きでも僕はかまわない。彼を忘れさせてみせる」


熱く語る吐息が頬に触れ……唇が重なる。


ハヤトのことはもう頭になかった。


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