愛されたかった悪女

ジョンの思い

私は彼らに近づくと、ハヤトの首に腕を絡ませ抱きついた。


頬に唇を寄せると、隣にいたあの子から息を呑む音が聞こえてきた。


今までの雰囲気とは打って変わって冷たい表情で私を見た。


『なぜこんな所まで来た?』


『怒らないでね?貴方に会いたかったの』


『ストーカー並みだな 亜希には絶対に近づくな』


『元恋人に対してそんな言い方、ひどすぎるわ』


ハヤトは私を引き離した。


仕方なく、私は表情を作りあの子に笑いかけた。


「亜希さん、この前はごめんなさい 本当に何も知らなかったの」


そう言った。


本心ではないけれど、こう言っておけばこの子は油断するに違いない。






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