天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
クリスマスには間に合いました
星空の下。

「寒くない?アリスカさん…」

「うん…大丈夫…」

腕の、頬の手当てをお互いにしながら、二人は屋上で話し続けた。

幸福少女との誤解の事、ゆりとの誤解の事、その誤解を説明しようとしなかった事、説明を求めなかった事、今まで気になっていた事を何もかも…。

聞けば聞くほど、知れば知るほど、それが些細な擦れ違いだったと気づく。

あんなに泣いて苦悩するほどの事ではない、つまらない勘違いだったと気づく。

話してしまえば馬鹿馬鹿しくて。

二人は声を揃えて笑った。

笑って、笑って、涙が出るほど笑って。

その寒さにクシャミを一つする頃。

「お初さんの所に行きましょうか」

「うん」

二人はストールにくるまり、寄り添って屋上を後にした。

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