天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
そういえば、クリスマステロというのがあるそうだ。

散々悩んで泣いて、そんな話にはちっとも気づかなかった。

数日後。

とある教室。

「アリスカさんと啓太君は、勿論参加なさるのでしょう?」

招待状片手に先輩の女子生徒が、アリスカと啓太に向かって言う。

「「え」」

二人は声を合わせて言い。

「「あ」」

声を合わせて顔を見た。

「な、何で私と啓太がセット扱いな訳?べ、別に啓太が行きたいなら、クリスマステロなんて勝手に行けば…」

屋上ではあれだけ仲睦まじかったのに、友人達の前では照れ臭いのか。

口を尖らせるアリスカ。

「おいおいロシア娘、それはつれないのではないかの?」

オッドアイを細めて笑うのはアスラ。

「仮にも『テロ』などと名のついたイベントじゃぞ?多重人格者とはいえ一般人の啓太を一人で参加させて、危険とは思わぬのか?」

「ぼ、僕は…」

啓太がアリスカを上目遣いに見ながらオズオズと言う。

「アリスカさんさえよければ、その…一緒に…」

啓太は今回の件で学習したのか、幾分正直になっていた。

「……っ」

その言葉に、白い肌をポーッと赤く染めた後。

「まっ…まぁ…私エージェントだし…テロと名のつくイベントなら、警戒の必要もあるかもね…」

アリスカはわざとらしく咳払いをするのだった。

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