光の射す方へ
灰色の世界②
アズサちゃんは両親が他界後祖父母に育てられた。しかしその生活も長くなく一年足らずで他界。その後今の家族に引き取られた。


家が近所で同級生ということで、義母は一番に私を紹介した。

「アヤちゃん、アズサっていいます。のんびりしてる子やから、色々よろしくね。」


一見するととても優しい家族に見えた。両親に兄弟が3人。アズサちゃんもその一員になれるのだと最初は喜んでいた。


「家族が団らんしてるごはん時には帰ってくるなって言っただろ!」

「2000円あげるから1ヶ月なんとか暮らせ。」

「殴られたなど、余計な事、外で言うなよ!」


アズサちゃんも「無」の感情を手に入れた。

私たちには色のない世界だった。今思い出してみてもすべて白黒の場面しか出てこない。
灰色の世界。


楽しいときは笑い、嬉しいときは素直に喜んび、辛いとき、悲しいときは「無」になった。


7歳の私たちが手に入れた「無」は今後色々と役にたつ。
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