俺はその時、どう行動するか。
1時間ほど走り、バスは目的地へ着いた。
バスを降りると、そこはスキー場の梺で旅館が建ち並ぶ温泉街だった。
スキーシーズン真っ只中のこの温泉街にはスキー板やボードを担いだスキー客が溢れている。
明日の結婚式はさらにこのスキー場を越えた山の奥地で挙げることになっている。
雪山の中に佇むおしゃれな中世ヨーロッパ風の洋館と教会を澪がネットで見つけてしまったのだ。
新郎の俺ですら萎えているのに招待客たちはそんな秘境まで本当に来てくれるのだろうか…。
ちなみに俺と綾音が今日泊まるホテル白熊も、このスキー場からは少し離れた場所にあるらしい。
その為ホテルへ行くにはここからさらに専用の送迎車に10分ほど乗らなければならない。
――…時刻は13:08
チェックインまではまだ1時間ほど間がある。