俺はその時、どう行動するか。
「お兄さんそんなに彼女をガン見しちゃって、ベタ惚れなのね~!んもう、お姉さん妬けちゃうワ~!」
その時、カウンターの中から突然そんな声が聞こえた。
ギクッとして俺は一瞬で我に帰る。
どうやらこっそり観察しているつもりが、いつの間にかガッツリ見てしまっていたようだ。
スケジュール帳を確認していた綾音もその声にパッと顔を上げる。
「はい、お待たせ~!
これが当店イチオシの絶品バターラーメンよ~!」
ここの大将はどうやら客に首を突っ込むタイプか。
身長190cmはありそうなスキンヘッドの大将は
俺と綾音の前にドンッとラーメンを置くと、鼻を大きくして笑った。
スキンヘッドは絶対カツラが被りやすいからだな…。
「きゃ~!焦がしバターの良い香り~」
待ち焦がれた絶品バターラーメンを前に、綾音は感嘆の悲鳴を上げた。
「あら、いい反応ね。可愛い彼女さんには匠餃子オマケしちゃおうかしら~」
綾音の反応に気をよくした大将は美味しそうな餃子を焼き始めた。