俺はその時、どう行動するか。
「なんか…スゴいフレンドリーな店だね」



俺がコソッと綾音の耳元でそう言うと、綾音はあははと笑った。


俺と綾音は割りばしを割ってラーメンを食べようとする。


しかし大将がまた口出しをしてきた。




「いやん、待って!うちの店、恋人同士だったらやらなきゃならないことがあるのよ~。

せーので同時にラーメンを食べなさい。同じタイミングでずずっと口に含めたら、その相手と生涯連れ添えるってわけ~!
ロマンチックでしょ」




大将はそう言いながらバンバンと壁を叩く。


そこには確かにカップル達が同時にラーメンをすすっている写真が何十枚も貼ってあった。




…あんまロマンチックには見えないが…。






「あ、あの大将…」


「姉さんって呼んで」



大将のセリフを聞いて綾音は吹き出しそうになっている。




「実は俺たち、恋人同士じゃないんです」



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