俺はその時、どう行動するか。
しかし俺の不幸はまだまだ終わらなかった。




パソコンを確認し終え顔をあげた従業員は、最大級に申し訳なさそうな声で言った。



「大変申し訳ありませんが…本日はご予約でいっぱいでございます」


「え……?」





そ…そんな…


死にかけてやっとたどり着いたホテル白熊。


なのに新人のミスで…




くそっ…


やっぱこんなくだらない名前のホテルに泊まるんじゃなかった…!


変な名前のホテルでも、澪との結婚式費用を考えて格安だから我慢して選んだのに…。


なのに俺、ここに泊まれないのか?





考えれば考えるほど、また腹が立ってきた。


だいたい白熊は北海道にはいないっつーの!




ホテルの入口を見ると吹き荒ぶ吹雪がガラスをガタガタと鳴らしている。



「野宿したら死にますかね?」



皮肉を込めてそう言うと従業員の男はゴホンと咳払いをした。



「近隣のホテルにも確認してみますので。…少々お待ち下さい」


従業員はスキー場のマップを取り出すと、フロントの電話を使いあちこちに確認をしてくれた。


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