俺はその時、どう行動するか。
な…なんで俺が悪者なんだ。


全く納得できね―よ…!




だけど…これ以上言い合った所で解決しそうにない。


「…………」


俺は仕方なく、無理やり腹の虫をグッと抑え込むと、従業員の男に向き直った。



「あの…じゃあ今夜泊まりたいんですが…今からでも空いている部屋はありますか?」



くそっ…


本当は全然納得なんて出来ないが…


常識ある大人でいる為には時として、人は自分が正しくても折れなければいけないんだ…。



「お調べ致します」


従業員の男はカタカタとパソコンを操作して部屋の空き状況を確認しだした。



「ちょっぴりツイてなかったですけど…また忘れられない思い出が増えましたね」


「はは…本当に」



綾音の癒すような笑顔に俺も力なく笑う。


本当になんてツイてない日だ。


隣で綾音が笑っていてくれることが、唯一の心の救いか…。


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