俺はその時、どう行動するか。
健二と里奈の姿が完全に見えなくなるのを確認したあと


俺はすかさずフロントへと向かった。




健二たちが同じホテルに泊まっている…


もしかしたら、他にもこのホテルを利用して結婚式へ向かう連中がいるかもしれない。


一応ホテル側には俺の事を口止めしておかねば。


個人情報だしまさか従業員からバレるなんて無いとは思うが


ここの従業員はなんか不安だからな…。


念には念を、だ。






フロントにいたのは先程俺と綾音に対応してくれたのと同じ、還暦に近い白髪の男性従業員だった。


さて、しかしどう切り出せば良いものか…。


俺は様子を伺いながらフロント前を右往左往した。



「…どうかなされましたか?相良様」


「え?あ、いえ…あ~っと」


「お連れの長谷川様でしたら先程お出かけになられ」


「!!あの…ちょっとその事でお話がっ!」



俺がいきなり歩み寄ったので従業員の男は目をパチクリさせた。



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