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「そうか! 良かった!」
お父様は、上機嫌に笑い出すと「家族の再会を祝して乾杯」といきなりの乾杯に私達は慌ててグラスを持った。
「茉莉果、明日はあなたのヴァイオリン聞かせてくれる?」
ギクッ!
やばいわよ。サボり過ぎていたヴァイオリン
セルマン先生のレッスン以来一度も触ってない。
お母様からの視線を受け流し、それを柏原へ救いを求めようとすると軽く流されてしまった。
薄情者……
執事なら主人のピンチを救うのが当然なのに『私は、練習をなさるよう常々申し上げております』と顔に書いてある執事に腹が立つ。
「そうだわ、茉莉果の学校の音楽祭に招待いるのよ。そこでアンサンブルなんてどうかしら?」
ギクッギクッ!
お母様とアンサンブル?
プロのピアニストと?
嫌よー!
練習サボりまくってる私には無理よ!
しかも、私が招待しようと思っていたのに……