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「でもカナダに来たのは柏原を取り戻すためよ! 両親にお願いするしかないと思ったし私一人ではカナダまで来ることができない……それに陽子さんや寧々さんには聞き入ってもらえなかったから竜司にお願いするしかなかった」
全ては柏原のためよ!
「言い訳など聞きたくない。
その様に、貴女は近くにいてくれる人間を利用して生きていけばいいのです。孤独に美しく育った貴女ならば、誰でも簡単に利用できる。私を愛しているなど一過性のことにしかすぎない」
柏原は、私から一歩ずつ離れていく。
「私が言ったことは忘れてください」
「そんなことできない……」
柏原はちゃんと私のことを愛してくれたじゃない……
防音室の扉に手をかける柏原。
「さあ勝負の時間です、彼はきっと本気で挑んでくる。お嬢様は幸せ者でございます」
ダメ…………
このままじゃ『負け』る。
柏原は、きっとわざと竜司に負けてしまう。