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柏原の唇がもっと深く私を飲み込もうとしてくる。
苦しさから瞳を閉じる。そうすると真っ暗闇の中で縛り付けられる窮屈感の中、柏原の唇と舌の動きだけが、やけにリアルに体に伝わってくる。
おかしいわ……こんなの……
私、柱にされてるのにキスして体がジンと熱くなってきた。
「…………ん、んっ柏原……そんな激しいキスしないで」
柏原は私を無視すると、激しいキスをしながらはだけた胸元にそっと冷たい指先を這わす。
「……あぁ」
「そのように甘い声をあげられては止められません。お嬢様、一つ覚えておいてくださいませ。
世の中、縛り付けられ泣きそうな顔をした女性に興奮する男がいることを……」
「こっ……こうふんって……あ!」
執事の舌は耳に移動して、そして下に下りていく。
こんな冷静な顔してそんなこと言われてもなんの説得力もないのに、もっと説得力ないのは自分の方だった。
「お願い……柏原。ベッドで……」