BLack†NOBLE

 レイジが運転席に飛び乗り、蔵人に続き俺も車に乗り込む。エンジンをフル回転させ、車は走り出した。



『相手組織は予想以上の兵力に武器を用意しています。夜が更けるのを待ち、油断させて船を沈ませようとしてきたのかもしれません』


『そんなことは、わかってる!』


『も、申し訳ございません』



 蔵人は大きく息を吸い込み、ジャケットを脱ぐと防弾チョッキを脱いだ。そして、それを俺に渡す。


『予備はない。頭は撃たれるな』


 その重さに、少し心が掻き乱される。自分はとんでもない場所に向かう。



『俺は応戦しない、おまえらの仲間なわけじゃない。蔵人が着てろ』



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