BLack†NOBLE


『瑠威様……』


 蔵人から奪った拳銃。弾丸は、あと二発。


 俺が焦がした床は、水がかけられた。



『瑠威様、儀式の準備は整っております。あなたが我々ともに掟に誓い戦ってくださるのなら、誰もあなたに口答えする者はおりません』


 レイジは大きな体を小さくして、俺の前で膝をついた。



『蔵人はいつ屋敷に帰る?』


『もう直ぐ到着しますが、意識がまだ戻っていないようです』


 俺は、拳銃を掴むと銃口をレイジに向けた。


『蔵人の顔を見たら、すぐに始めよう』


『はい』




 男たちがざわめいた。散々、愚痴を吐いていた男たちが狼狽える。


『誓えば、俺たちは誰もあなたには逆らえなくなる』


 男たちが次から次へと、床に膝をつき頭を下げた。


 
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