BLack†NOBLE
俺は情に打たれた、ただの観客か? アリシアと離れるのが、こんなにも寂しいと感じるなんて……
映画館を出たら、こんな寂しさ忘れて彼女と楽しく笑っているに違いない。
『瑠威……やだよ。クロードの弟なんでしょ? ここで暮らせばいいじゃん、あの小娘も特別に私が許可してあげるから……だから』
『どんな許可だ? クロードに日本に帰れと言われたんだ。俺の居場所は、ここにはないらしい』
エメラルドの瞳からは、大粒の涙が溢れた。
『やだやだやだ! 瑠威は、性格最悪だけど嫌いじゃないのに!! 一緒に銃撃戦切り抜けてきた仲じゃん!!』
アリシアが胸に顔を埋めてきたので、俺はその細い肩を抱いた。
『そうだな、そんな仲ちっとも嬉しくないけどな』