BLack†NOBLE



『申し訳ございません。急に暴れだしたので、静かにさせる為に……』


 大柄な男が俺と蔵人の間に立つ。日系人だ。ここにいる男達の中でも、特に身なりがいい。

 シルクのタイを締めて、言葉使いも丁寧で綺麗だ。




『レイジが、殴ったのか? 俺の弟を』


 レイジが頷くと、蔵人は表情をなくした。


『それなら仕方ない』と小さく呟いて、ため息をつく。


 実際、レイジは仲介に入り違う男に殴られたのだが……仲間を庇ったか。



 この組織の人間関係は、とても複雑なんだろう。蔵人の命令は絶対らしい。



『ニナを呼んで、顔の手当てもさせろ。それから、瑠威に着替えを用意しろ』



< 44 / 509 >

この作品をシェア

pagetop