BLack†NOBLE

 ただの美しい女ならば、ここまで惚れ込む事もなかったはずだ。


 常識が通用しなくて、必死になればなるほど、俺は彼女に惚れていった。



 薄いピンク色の艶やかな唇を、指でそっとなぞり、自分の唇を重ねる。



 柔らかく……それでいて弾力がある最高級の唇。





 この唇の味を知るのは、生涯 俺だけとなるだろう。



「お分かりにならないのですか? 私がどれ程、貴女を愛しているかを……」



 大きな瞳を見つめる。
 その瞳には、俺しか映っていない。


 もう他の何も見つめずに
 貴女は、俺さえ見つめていればいいんだ────




「知ってるわ。
私も同じ気持ちよ」



 見つめ合ったまま指を絡ませ……

 そして時が止まる。







「ずっと一緒にいよう」

「ええ、喜んで」



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