BLack†NOBLE

 引きちぎれないかと考えて、グイッと引っ張る。キャハハと笑い声をあげたアリシアが釣れた……


 お前と遊んでいたい気分じゃないんだ。


 さすが蔵人と一度結婚しただけあるな……並みの逞しさじゃない。


 相当な馬鹿女だ。





『もう、今の瑠威、超カッコ良かった。すごい心臓バクバクしちゃったよ。あぁんクロードから乗り換えちゃおうかなぁ。顔、一緒だし!』


 当然のように助手席に乗り込むアリシアに、盛大なため息をつく。

 コイツといるなら、蔵人といたほうがよかったか?


 いや、どっちもどっちだ。かなり酷い。




 はやく彼女に会いたい。



 左ハンドルのマニュアル車の運転は久しぶりだ。しかもランボルギーニは大きなエンジンを搭載したスポーツカー。

 慎重にクラッチを踏み込み、セカンドにシフトチェンジをする。

 低音のエンジンをふかすと、夜の街へと車を走らせた─────





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