一番星の愛情物語
「このビルも、会社も。人の命が繋がってできています。だから、個人個人の大切な事以上に大切なモノの場合は、仕事よりも優先されます」


いろはさまは、じっと嗣実さまを見つめた。


大きな背中が、どこか凛々しく見えた。


「嗣実さんは、研究したかったんじゃないんですか?」


嗣実さまは、いろはさまの言葉に振り返り、口元を緩めた。


「小学生の頃はそんな気持ちもありましたね。ですが、私には私にしかできない事もあります。私が関係している新薬が出た時は、アレルギーがない限り、サンプリングしています」


いろはさまは、じっと嗣実さまを見つめました。


「脳に関する薬は調整が難しいんです。副作用が多くて、社会的にも難しくて。たくさんのパターンが必要ですから。少しでも役に立ちたくて」
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