解ける螺旋
理系の研究室が集まる校舎から出て、健太郎は少し離れた銀杏並木に向かって行く。
サークル活動に向かう学生や、部活動に勤しむ学生の姿を眺めながら、私と健太郎は青銅のアームのベンチに腰を下ろした。
出て来る前に自動販売機で買った缶コーヒーを白衣のポケットから取り出すと、健太郎は黙って私に手渡してくれた。
ありがとう、と言いながらまだ温かい缶を両手で持って、少しだけ緊張するのを感じた。
すごく真面目な内容の話になる、そして長くなる事はこれだけでもわかる。
「樫本先生の事、だよね?」
それでも緊張を抑える為に確認した。
健太郎は黙って軽く頷くだけで、缶を開けて口を付ける。
チラッと向けられた視線が、すごく私を探ってる。
それを感じて、私はつい予防線を張ろうとした。
「あ、あのね、健太郎。あんまり変な誤解しないで。
……付き合ってるとか、そういう特別な関係じゃないの」
言い訳をしようとしたのがまずかった。
説明しようと思ったら、どう聞いても誤魔化す言葉しか浮かばなくて、結局曖昧に声を小さくした。
「まだ、って言っておいた方がいいんじゃないの?」
健太郎は横目で私をチラッと見て、私は身体を強張らせた。
「……それは私にはわからない。
この間の事も、からかわれてるだけ、みたいな気がするし……」
――からかわれてるだけでキスされて、身体まで。
さすがにそれは言えないけれど、言ってるだけでも悲しくなる。
健太郎も、まあね、と溜め息混じりに呟いた。
サークル活動に向かう学生や、部活動に勤しむ学生の姿を眺めながら、私と健太郎は青銅のアームのベンチに腰を下ろした。
出て来る前に自動販売機で買った缶コーヒーを白衣のポケットから取り出すと、健太郎は黙って私に手渡してくれた。
ありがとう、と言いながらまだ温かい缶を両手で持って、少しだけ緊張するのを感じた。
すごく真面目な内容の話になる、そして長くなる事はこれだけでもわかる。
「樫本先生の事、だよね?」
それでも緊張を抑える為に確認した。
健太郎は黙って軽く頷くだけで、缶を開けて口を付ける。
チラッと向けられた視線が、すごく私を探ってる。
それを感じて、私はつい予防線を張ろうとした。
「あ、あのね、健太郎。あんまり変な誤解しないで。
……付き合ってるとか、そういう特別な関係じゃないの」
言い訳をしようとしたのがまずかった。
説明しようと思ったら、どう聞いても誤魔化す言葉しか浮かばなくて、結局曖昧に声を小さくした。
「まだ、って言っておいた方がいいんじゃないの?」
健太郎は横目で私をチラッと見て、私は身体を強張らせた。
「……それは私にはわからない。
この間の事も、からかわれてるだけ、みたいな気がするし……」
――からかわれてるだけでキスされて、身体まで。
さすがにそれは言えないけれど、言ってるだけでも悲しくなる。
健太郎も、まあね、と溜め息混じりに呟いた。