解ける螺旋
健太郎のエスコートに身を任せて会場に入ると、もう既にパーティーは盛り上がっていた。
その煌びやかさを目にして、どんなパーティーもそう変わらないな、と溜め息をついた。
それを聞き逃さなかった健太郎が怪訝そうに私を見下ろして、私は誤魔化す様に咄嗟に笑みを浮かべた。


「ごめん。
……なんか、パーティーってどこも大差ないなって思って」


健太郎は小さく首を傾げて、そうかな、と呟いた。


「退屈だって言いたいなら同感だけど。
……今日は一際金掛かってるだろ。
ほら、料理見てみろよ。
普通の立食じゃお目にかかれない素材のもんばっかりだぞ」


健太郎が小さく顎でしゃくった料理スペースに目をやる。
確かにかなり高級素材ばかりを使った料理の様だけど、パーティー慣れしてる健太郎が言うほど珍しい物ばかりじゃない様な気がした。


だけど私は肩を竦めて、そうだね、と一言同意する。


私にとっても今日が特別なパーティーだとはわかっているけど、他のパーティーと何も変わりはないと、そう思いたい気持ちの方が強かった。


健太郎にエスコートされて、いろんな人に挨拶をしているうちに、壇上に健太郎のお父様と私の両親が現れた。
盛大な拍手の中、新薬開発の経緯や苦労話も和やかに打ち明けられるのを、私はただ複雑な思いで眺めていた。


和やかな分だけ、二人がこれまでどれだけ苦しんで来たか、娘の私にはわかるから。
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