Rainy days never stay~心の傷痕~
リビングに戻ると、ソファに座っている彼が私を呼び寄せた。

「ここ、おいで。」

「陽樹さん、そこ好きですね。」

「だって、桜子抱いてると気持ち良いから。」

「・・・また、恥ずかしいことを・・・。」

でも、いつもの陽樹さんだ。

私は大人しく彼の腕の中に納まった。

彼が私の腰に巻きつく。

「やっぱり桜子の匂い落ち着く。」

「私も陽樹さんの腕の中、好きです。」

「いつもより素直だね。」

私は体を彼にあずけ、委ねる。

「私、決めたの。」

「ん?何を?」

彼が問い返す。

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