祝福された堕天使達
「あの頃の幼い君だったら許さなかっただろうけど、今の君なら娘をやっても構わない。どうか、娘をよろしくしてほしい。」

「は、はいっ!」

俺は思わず声をあげた。

断られると覚悟し本当なら何度でもお願いに来るつもりでいたが、あっさりしたものだった。

「雅人君。」

「はい。」

急に神妙になった恒男さんに俺は返事を返す。

「一つだけ、君にお願いしたい事がある。」

「お願いしたい事、ですか?」

「うん…」

恒男さんは小さく頷いて目を麻里へ向ける。

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