祝福された堕天使達
俺はその時ふと懐かしい感情を抱いた。

同棲して間もないあの頃と同じ、餓鬼だった自分が責任の名の元に押し潰され続けたあの頃の様な苦しい感情を…

「これが…俺達に立ちはだかる最後の壁か。」

ふと一人ごちた。
最初からあったはずの大きな壁、気付いていた筈なのに最後まで残ってしまったその大きな壁に俺はようやくぶち当たった。

それは麻里の、彼女の内なる心の叫び。

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