祝福された堕天使達
「こんな美人を抱き締められないのはちょっと勿体無いからさ。」

「…馬鹿。」

そう言いながらも更に照れる麻里。

強く抱き締められないのが本当に勿体無い。

そう思いながらしばらくその状態が続くと、控室の扉がゆっくりと開いた。

「準備が整いましたのでスタンバイの方よろしくお願いします。」

スタッフのタイミングの良い呼び掛けに、俺は麻里に回した腕を緩めた。

(いよいよ、なんだな…)

この日のこの瞬間の為に今まで二人で頑張ってきた。

後はただ誘導されるままに歩を進めるだけ。

俺は麻里の手を握った。

「行こう、麻里。」

「うん。」

麻里は手を引く俺についてきた。

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