他人任せのジュークボックス
ことの始まりはこうだ――と話し始めると長くなるのでざくっと割愛する。
要点だけをまとめると、だ。
ちびっこがいた。
深夜、俺が盗みに入った馬鹿でかい屋敷の……向かいの阿呆みたいにオンぼろっちぃマンションにひとり。
いや、独り。
目が合った。
侵入者を照らし出すサーチライトよりも何倍もキラキラと光るどんぐり眼で俺を見つめてやがった。
夜目の利く俺の、我ながら高性能な視線がそのちびっこの口の動きを捕らえる。
「サンタ……さん?」
闇にしっかり紛れるように全身黒づくめ。
大きな白の“ズタ袋”もなけりゃ赤っ鼻の助手も従えてない俺をみて、
「サンタ……さん?」
だとよ。
なんのコメディだ。
「ほんと。なんのコメディだってんだよな……」
主役はそのちびっこか、それともこの場にいる俺か。
いや、俺なわけがない。
泥棒が主役なんかを“はる”もんじゃぁない。
そうさ俺は泥棒さ。
それも天下の大泥棒だ。
こいつは実に稀有な気まぐれだ。
しかしだからといってポリシーは捨てない。
真の泥棒は“金で物を手にしない”。
「純真無垢な子供に穢(けが)れたプレゼントなんて!」
とでも?
はっ。
泥棒が今さら汗水流して浄財を手にしたところで、それを受け取る手が当の昔にすすけちまってるんだ。
ならいっそポリシーを貫いた方が高潔ってもんだろう。
おもちゃをひとつ、懐にしまう。
そう、懐にしまえる程度のサイズの物を、ひとつ。
大層で大仰なもんは親に不審がられて捨てられちまうかもしれないからな。
要点だけをまとめると、だ。
ちびっこがいた。
深夜、俺が盗みに入った馬鹿でかい屋敷の……向かいの阿呆みたいにオンぼろっちぃマンションにひとり。
いや、独り。
目が合った。
侵入者を照らし出すサーチライトよりも何倍もキラキラと光るどんぐり眼で俺を見つめてやがった。
夜目の利く俺の、我ながら高性能な視線がそのちびっこの口の動きを捕らえる。
「サンタ……さん?」
闇にしっかり紛れるように全身黒づくめ。
大きな白の“ズタ袋”もなけりゃ赤っ鼻の助手も従えてない俺をみて、
「サンタ……さん?」
だとよ。
なんのコメディだ。
「ほんと。なんのコメディだってんだよな……」
主役はそのちびっこか、それともこの場にいる俺か。
いや、俺なわけがない。
泥棒が主役なんかを“はる”もんじゃぁない。
そうさ俺は泥棒さ。
それも天下の大泥棒だ。
こいつは実に稀有な気まぐれだ。
しかしだからといってポリシーは捨てない。
真の泥棒は“金で物を手にしない”。
「純真無垢な子供に穢(けが)れたプレゼントなんて!」
とでも?
はっ。
泥棒が今さら汗水流して浄財を手にしたところで、それを受け取る手が当の昔にすすけちまってるんだ。
ならいっそポリシーを貫いた方が高潔ってもんだろう。
おもちゃをひとつ、懐にしまう。
そう、懐にしまえる程度のサイズの物を、ひとつ。
大層で大仰なもんは親に不審がられて捨てられちまうかもしれないからな。