勿忘草~私を忘れないで~


「………は?」


「だから、ずっと……危なかったんだって」


「ずっとって?」


「3年の始め、ゴールデンウィークに一回、倒れたんだって。


それからはずっと、いつ死んでもおかしくない状態で。


なのに、なのに……学校、来てた」


言われたのは10月。


なのに、死を覚悟し始めたのは5月?!


…5ヶ月も違うじゃねえかよ。



狂いそう。


ってかもう俺狂ってんじゃね??


…落ち着けよ。



自分の中で、自分に言い聞かせる。


言い聞かせたところで、無駄なもんは無駄。


「ど、どーゆーコトだよ!!!


愛生、いっつも中庭来て、バカみたいに喋って、それでなのに


死にそうって、何なんだよ!?」


俺の暴走はクラスメイトに簡単に止められた。


そして、実夏はこう言った。


「愛生ちゃん、生き延びるより、ウチらと居るのを望んだ、ってコト。


今日…お見舞い行くよ」


……は?


何だそれ??


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