意地悪同期にさらわれました!

向きを変えて歩き出した俺に、有美子は背後から抱きついてきた。

「待って!東吾、ごめんなさい。
あの時、分からなかったの。
あなたの思いに気付けなかった。

今は…今は、分かるのよ。
東吾が本気で愛してくれていたのが。

お見合いの相手とは何もなかった。
本当は、すぐに気付いたの、お見合いした瞬間に。

東吾を…愛してるって」

……は。

有美子が俺を…愛してる?

…嘘だ。
別れを告げられた時の有美子の冷たい目線と言葉が頭に浮かぶ。

『あなたに本気になる訳ないでしょ。
女をとっかえひっかえしている様ないい加減な男に。

あなたを本気で好きだなんて言う人がこれから現れるかしら』




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