意地悪同期にさらわれました!
『…え?彼氏?』
『やあね、赤崎くんよ。
さっきいきなり慌てて戻って来てね、野田さんを探してたわよ。
…会えなかったの?』
次の瞬間に駆け出していた。
もう、とっくに気付いていた。
黒木課長に何を言われても、どうして首を縦に振れなかったのか。
休憩室で課長といる時、赤崎に見つめられて自分はどうしたいのか。
嫌いで嫌いで堪らなかったのは…何故なのか。
『ばぁか。お前が俺と張り合おうなんて、百億年早ぇんだよ!!』
そう言って、クシャリと子供の様に笑う彼の顔を思い浮かべる。
赤崎…、私ね、本当は…。