未来に向かって僕たちは【短編】
俺の言葉に、藤原が申し訳なさそうな顔をした。

「……ごめん」

「嘘。軽く注意されただけ」


そう言って俺は残りのコーヒーを飲み干すと、笑ってベンチから立ち上がった。


「さてと。そろそろ行くか。これから予備校なんだ」

「そうなの?あの、お見舞いとか……何か、いろいろありがとう」


「俺、別に何もしてないし。――また来るよ」

そう言うと、藤原が笑ってうなずいた。


俺は軽く手をあげ、駅に向かって歩き出した。
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