優しい手①~戦国:石田三成~【完】
なし崩しの理性の欠片――
その一片は一線を越えないこと。
…桃は三成の手を選んだ。
だけど、桃は時に自分を挑発するようなことを言って見せる。
――それからただ桃を抱きしめて髪を撫でて…
桃と謙信の吐息だけが部屋に満ちる唯一の音。
謙信は口づけ以上、手を出さなかった。
出してしまえば…
表には出していないけれど、嫉妬にかられて桃を壊してしまいそうなほど乱暴に抱いてしまうかもしれないから。
だが桃は…
腰に触れてきて、背中に腕を回してきて、
胸に埋めていた顔を上げて自身の行動に動揺したような表情を見せながらも口を開いては閉じて、何かを伝えようとしてくる。
「…どうしたの?」
「……ううん」
「私が入り込む余地なんてないよ。こうして触れられるだけで幸せと思わないとね」
…強がりを言った。
本当は今すぐにでも浴衣を剥いで、身体全体に唇の痕をつけて、三成に嫉妬を与えてやりたかったが、桃の気持ちを考えてあげなければ。
未だに揺れている乙女心を。
「…触ってほしいって言ったら…どう思う?」
「…ねえ、私を挑発してるの?こんなに耐えているのに?」
――だんだん鼓動が速くなってくるのが自分でもわかっていたが、しばらく躊躇した挙句…そっと手を握ってきた桃が浴衣の上から手を胸に押し付けてきた。
「桃…いけないよ。私を今挑発すると君を怖い目に遭わせてしまうかもしれない…」
「謙信さん…私…選べない…。謙信さんのことも、三成さんのことも、とっても大好き…」
つっと頬に伝う涙を見た時、もう駄目だと思った。
「桃…愛しているよ」
「……私も…」
「だけど…抱けない。私は君を独り占めしたいんだ。だから抱けない。ごめんね、桃…」
できない、と言いながら唇を奪い、思いの丈を吐き出す。
「ぁ、謙信さ…っ」
「桃、桃……っ」
――桃の手が腰骨に触れて、胸に触れて、潤んだ瞳で見上げてきた。
「謙信さん…好き…」
「桃…、どうなっても、知らないよ…」
縺れ合う。
その一片は一線を越えないこと。
…桃は三成の手を選んだ。
だけど、桃は時に自分を挑発するようなことを言って見せる。
――それからただ桃を抱きしめて髪を撫でて…
桃と謙信の吐息だけが部屋に満ちる唯一の音。
謙信は口づけ以上、手を出さなかった。
出してしまえば…
表には出していないけれど、嫉妬にかられて桃を壊してしまいそうなほど乱暴に抱いてしまうかもしれないから。
だが桃は…
腰に触れてきて、背中に腕を回してきて、
胸に埋めていた顔を上げて自身の行動に動揺したような表情を見せながらも口を開いては閉じて、何かを伝えようとしてくる。
「…どうしたの?」
「……ううん」
「私が入り込む余地なんてないよ。こうして触れられるだけで幸せと思わないとね」
…強がりを言った。
本当は今すぐにでも浴衣を剥いで、身体全体に唇の痕をつけて、三成に嫉妬を与えてやりたかったが、桃の気持ちを考えてあげなければ。
未だに揺れている乙女心を。
「…触ってほしいって言ったら…どう思う?」
「…ねえ、私を挑発してるの?こんなに耐えているのに?」
――だんだん鼓動が速くなってくるのが自分でもわかっていたが、しばらく躊躇した挙句…そっと手を握ってきた桃が浴衣の上から手を胸に押し付けてきた。
「桃…いけないよ。私を今挑発すると君を怖い目に遭わせてしまうかもしれない…」
「謙信さん…私…選べない…。謙信さんのことも、三成さんのことも、とっても大好き…」
つっと頬に伝う涙を見た時、もう駄目だと思った。
「桃…愛しているよ」
「……私も…」
「だけど…抱けない。私は君を独り占めしたいんだ。だから抱けない。ごめんね、桃…」
できない、と言いながら唇を奪い、思いの丈を吐き出す。
「ぁ、謙信さ…っ」
「桃、桃……っ」
――桃の手が腰骨に触れて、胸に触れて、潤んだ瞳で見上げてきた。
「謙信さん…好き…」
「桃…、どうなっても、知らないよ…」
縺れ合う。