光の魔法を君に 【番外編】



ワイの朝は夢羽が起きたと同時に始まる。


「コウ、おはよう」


扉を開けて部屋に入ってワイの頭を撫でる。犬やないっ!と言いたいけど気持ちえーからなんもいわんねん。夢羽の手は優しさで溢れてるから、こっちまで優しくなれるんや。


「さ、ご飯だよ」


ワイに触れるためにしゃがんでいた夢羽が立ち上がりそのあとに続く。
え、ワイだけ?ちゃうでちゃんとおるけど………ほとんど夜行性やから朝弱いんや。
太陽光も強なってきたし辛いんとちゃう?バクなんかフラフラしとるし。


「おぅ、今日の朝は何や?」

「えっと、サンドイッチとドリアとサラダとコンソメだったと思う」

「腹減ったわぁー」


隅々まで手入れが行き届いた廊下を夢羽と歩く。


空はもう朝飯食っとるし、その他の奴らも各々で食っとる。
なんやかんやで夢羽は寂しいからワイと一緒に飯食べるんやと思う。
ワイは別に食べんでもええけど美味しいもんは食べな損やで。



これが日課。
朝のな、朝飯食べたらもう忙しいねん




夢羽は城下町の視察。
今日はコイダゴ市街地、余り目が行き届かない場所らしいから裏で何が回ってるか調べるんや。



で、それが今から30分後に出発なんや。
ワイは別にそんな時間いらんけど夢羽はお姫さんやからなぁー。身仕度というよりは使いのあれやこれやがめんどくさいんや。




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