隼 ASPHODEL-5編

1

数年後──

「ドクター、守、はする、どう?」

沙耶が3人に聞く。

ベッドに横になってるのは髪の綺麗な女の子だ。

「やはり、第3期に入ってしまってますからphoenix療法は無駄でした。」

「瞳が赤く変化する第3期前にbc12遺伝子に手を加えないと駄目ってことね。」

すると、はすると呼ばれる金髪の少年が言った。

「しかし、phoenixって言うくらいなんですから…」

「bc12遺伝子が受けいれられるのが第3期症状前が限界ってことよ」

はするはベッドの少女を見た。

「確か…この方は今管理人にスカウトしてる方の彼女と聞きましたが…」

全員が少女を見る。

「管理人とはもめたくないから何とか助けたいけどね…」

沙耶はため息をついた。

「佳伊がいるんだから、そんなに管理人に気を使うことないだろう。向こうは超能力、こっちは科学の裏組織なんだし」

「別物だ」

ドクターとよばれる男も続く。

「そうなんだけどね。佳伊様にも動じない性格の持ち主みたいでね。」

ドクターが眼鏡の位置を直しながら言い放つ。

「それをコントロールするのは佳伊の役目だろ?管理人と隼の総帥なんだから」

「まぁ…ね」

沙耶は意識のない少女を見つめた。
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