隼 ASPHODEL-5編
「こんにちは」

佳伊がベッドに横になっている美野里に挨拶した。

美野里はにこっと笑って言った。

「こんにちは」

「だるい?」

「はい、ちょっと…」

「そっか。すぐ良くなるからね」

佳伊が微笑むと美野里も微笑んだ。


髪の色は黒いし、年も中学生くらいの美野里だが、その美しさは変わらない。

美野里は考えてみればオリジナルの話をしたことがない。

それはこうして出会う事になってたからか?



「佳伊様、ちょっと…」

沙耶に言われて部屋の隅に移動する。

「どうした?」

「私の考えを超えてますが…この美野里さんがオリジナルなら…組織なりクローンに使えるように何かを未来に残さないといけないのではないですか?…2075年まで」


佳伊はその言葉を聞いてもっともだと思った。
今隼が何かしないと未来の美野里は生まれない。

「そうしてくれ」

佳伊はそう指示して部屋をあとにした。
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