偽恋愛上等ッ!!【短編】

あたしは下を向いて、
「はぁー」
と大きくため息をついた。


その瞬間、
『試合を開始します!』
という監督かコーチか審判か誰かの声がした。

顔を上げてグラウンドを見る。
赤青それぞれ一列に並んで礼をしたあと、
赤と青がきれいに散らばっていく。


あたしサッカーのルールとか用語とかはよく分からないけど。
手でボール投げちゃいけなくて、
ゴールに入ればめでたい、ってくらいしか知らないし。(笑)


とりあえず日陰にしゃがみこんで、
試合を眺めた。



たくさんいる青を見ながら、
どれがコウジなのかな‥‥とぼんやり考える。

あたし、コウジのこと好きになっちゃったんだなぁ。
でもそんなあほな展開、里奈にも言えないって‥‥。




「11、11‥‥」

あたしは背番号11を探した。


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