*short.short*
*Two-facedness*
「何度も足運んで、先方のご機嫌取るのも営業の仕事だろうが、それが新たな契約にも繋がるしお前自身のスキルも上がる。出来ないんじゃなくて、やろうとする気が足りないんだ。いつまでも新入社員気取りじゃ困るぞ?」
「……すみません…」
「……はぁ…、俺も今から一緒に行ってやる」
「はいっ!ありがとうございます!課長!」
上座のデスクのやり取りを見て、隣のデスクの後輩の女の子が私の耳元に顔を寄せてきた。
「課長、いつ見てもカッコいいですね、デキる男って素敵…」
「……そうだね」
「いいなぁ、あの若さで課長…、独身…、イケメン…、でも彼女居るらしいんですよ?」
「ふーん、そうなんだ?」
「ああっ、あんなにいい男なのに!見てるだけなんて!彼女が羨ましい!」
まあ確かに仕事はデキるよね?
時期部長との噂もちらほら。
でもね?
あなたが憧れているカッコいい課長は実はね?
「わんわん!まみたん、ただいまあー!」
「はいはい、お帰り」
「今日もお仕事頑張ったよ?なでなでして?」
「いい子、いい子」
「えへへ。今日のご飯なに?」
「オムライスだよ」
「うわぁい♪まみたんのオムライス大好きぃ〜♪」
「その前に、お風呂」
「一緒に入ろ?」
「まだご飯の支度中なの、一人で入ってきて」
「え―、やだやだ―!まみたんと一緒に入るう―!」
ふふふ。
今私の目の前で、頬を膨らませて我が儘を言う彼と、課長が同一人物だとは到底思えないでしょ?
*end*