天神学園大新年会
「何でこんな時間に花火が…」

言いかけて、龍太郎はハッとする。

同時に。

『あ、明けましておめでとうっ、龍太郎君っ』

頬を赤らめつつ、小夜が龍太郎を見上げる。

勿論、龍太郎が冬休みまで補習漬けにされているのは心配だった。

だが何より、一年の締めくくりたるこの時間、この瞬間を共に過ごし、迎えたい為に。

小夜はわざわざ、こんな真夜中に天神学園を訪れたのだ。

まさか、夜中の教室で花火が見られるという、こんな嬉しいサプライズが待っているとは思わなかったが。

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