Alien執筆言い訳日記(ブログ的な何か)
2月20日 亀裂の底



『亀裂の底』

絶望と孤独を好きなのは
ひび割れたそこに隙が出来るからだ
水脈を嗅ぎ当てるカラスのように
僕は亀裂の下に
君の愛が眠っているのを探し出す

渇望が噴き出してくる
諦めている
渇いていて飢えていて
ここまで来るのは僕が初めて?
だろうな
多分、触れたら墜ちる
欲しい?
あげる…ぜんぶあげる
食べていい
貪ってよ肉の奥、魂、なにもかも
君の魂に触れた
その快楽と陶酔に対価?
違う…違わない
差し出すことの恍惚
欲しいだけが快楽じゃないんだ

そして死にたくなる
そりゃもう早速に即効に
物質の中にいるのは枷
それは本当に本当だ
身体は便利だが
この制限は正直呪いのようだ
苦痛と快楽が際限なく
ぐちゃぐちゃにかき混ぜられて
いつの間にか自分がなにかとか
見えなくなってる
共鳴を求めても音じゃなくて
楽器を愛でるのか!
君ははバカなのか?
同じことを繰り返し
厭きたろう?
厭きないな!
愛に厭きるほど幸せじゃない
だが君の強固な誤解の中で
僕は密かに悶える
方法と目的の不用意なすり替え
君は気づいてない
気づくわけない
まだ知らない
君は知らない知りたくない
なら永遠に気づかないで欲しいな
貪らせていると見せかけて
貪ってるのは僕だからね!
とは言うものの…

そんなことは飽きるんだ
君が僕を誤解し続けることが
結局腹立たしくてたまらない
僕は死んでしまえ
肉塊をお前から奪ってやる
屑を貴んだ報いと言ってやる
悪魔が魂を欲しがる意味がわかる?
魂を美味しく食べるっていうのはね
悪魔らしい比喩なんだよ
悪魔は本質を知ってるからね





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