レンアイゲーム

「何ですか」

森刹那の顔を見ないようにしながら、あたしは聞く。

てかこの人、あたしの名前知ってるんだ。

意外だな。

あたしは、特別目立つってわけでもないし。


「俺の事嫌いなの？……避けてるよね」


傷つくなぁ、と言葉を足して、森刹那は爽やかに笑った。


「……避けてナイデスヨ」

……あ、やば。

ちょっと棒読みなっちった！あは。


「…うわ、棒読み～…。……ぶつかったから、怒ってる？」


哀しそうな顔をして、森刹那があたしの顔をのぞきこんでくる。


あんたの、そのうさんくさい表情が嫌なんだってば。

「怒ってないですけど」

「けど？」


聞き返してくる森刹那。

ああ、もう――言っちゃう？

言っちゃうよ？


「…猫かぶるの、やめてもらえません？」


言ったー！

言ってやったー！