レンアイゲーム


「遅れてすいません」

理科室に入り、授業を進めていた先生に向かって言う。

「おう、飯島。さっき保健室の先生が来て、事情は聞いた。大丈夫か?」


「はい、大丈夫です」


そう言いながら、自分の席に向かう。


「おいおい、飯島。どこ行くんだ?」

「え?どこって……」


自分の席に座ろうと……。

「お前、保健室に行かなくても授業に遅れてただろ。よって、バケツ持って廊下に立ってるの刑だ」


「………はぁ!?」


意味分かんない!!


「七瀬、頑張れぇ」

「どんま~い」

「これで何回目~?」


クラスの子達が、あははと笑いながら声をかけてくる。

ちくしょう!
みんな他人事だと思いやがって!!


「お黙んなさい!」


笑うみんなを一喝してから、あたしは水がタプタプ入ったバケツを持って、廊下に立った。






< 22 / 109 >

この作品をシェア

pagetop