レンアイゲーム
「遅れてすいません」
理科室に入り、授業を進めていた先生に向かって言う。
「おう、飯島。さっき保健室の先生が来て、事情は聞いた。大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
そう言いながら、自分の席に向かう。
「おいおい、飯島。どこ行くんだ?」
「え?どこって……」
自分の席に座ろうと……。
「お前、保健室に行かなくても授業に遅れてただろ。よって、バケツ持って廊下に立ってるの刑だ」
「………はぁ!?」
意味分かんない!!
「七瀬、頑張れぇ」
「どんま~い」
「これで何回目~?」
クラスの子達が、あははと笑いながら声をかけてくる。
ちくしょう!
みんな他人事だと思いやがって!!
「お黙んなさい!」
笑うみんなを一喝してから、あたしは水がタプタプ入ったバケツを持って、廊下に立った。