3年分のキス
「…そう」
その声のトーンから
母が言いたい本題はこれではないことが伺えた
沈黙が耳元で騒ぐ
わたしは母が何かを言いだすのを待った
「…今日少し話したいことがあるんだけど、時間あるかしら?」
「今日、ですか」
今日はたかおちゃんのところに行くから
その後でないと行くことができない
「夕方ぐらいなら」
「そう、じゃあ待ってるわ」
そう言って母は電話を切った
話したいことって、なんだろう
そう思いながらわたしは通話終了ボタンを押した