3年分のキス
顔を真っ赤にしてわたしを見つめる藤原さん
わたしを必要としてくれる藤原さん
断る理由なんてひとつもなかった
ただ
あの日の夜の記憶に一瞬追われかけただけだ
彼はもういないのだから
「…はい」
わたしは彼のほうに体を向けて
大きく頷いて返事をした
目を見開く彼
「ほ、本当に…」
「本当に」
彼は数日後の答えを待っていたのだろうか
驚きまくっている彼を諭すように笑った
その刹那、ぐっと体を引き寄せられて
彼の胸に顔を埋めた
「好き」
頭の上で聞こえる声に幸せを感じないわけがなかった
男の人に好きと言われて結婚しようと言われて幸せを感じない女性がこの世にいるだろうか