真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
その名は、真夜中の十二時(ミッドナイト)
真夜中の十二時。その日も一秒の狂いも無く、心の携帯電話が鳴った。
待ってましたとばかりに、心は電話を取る。

「…お疲れ、心。今日は、嫌な一日だっただろ。英語の中山の野郎も、あんなに怒らなくても良いのにな。」

「あなたも、そう思うでしょ?ホント、私凹んじゃっててさあ…
だから、いつもみたいに励まして、お願い。」

「仕方が無いなあ。じゃあ、いくぞ。

-雪村心は、出来る子だ。それに気だても容姿も飛びっきり。

そんな心を、僕は心底応援しているよ。だから、こんな事でくじけず、また明日から素敵な笑顔、見せてくれよな。
そして…-」


約三分ほどの会話。これでもか、これでもかと言うぐらい、慰めや励ましの言葉を聞かされて、とてもご満悦な表情のまま、心はそっと、電話を切る。

…基本的には、『真夜中の十二時』(ミッドナイト)は、心を誉める事しかしない。

『真夜中の十二時』と関わり合ったのは、丁度今から三週間ほど前の、やはり真夜中の十二時、携帯電話を通じてであった。
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