真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
「えっ!い、一体あなた、誰!?何でそんな事しって…

分かった!あなた、タカシでしょ!わがままな私と別れられて気分スッキリ!以前の女もひどかったけれど、そっちの方が全然良かった、なんて言ってた割に、上手い事言って、私とよりを戻そうって気?

声色まで変えて。だまされないんだから!」

「…僕の名は、真夜中の十二時。ミッドナイトと呼んで。君と同じクラスの、君を慕う誰かさんさ。

また電話するよ。じゃあね。」

「あっ、ちょ、ちょっと!」




「…一体、誰?『真夜中の十二時』って…」

それからも毎日、きっかり真夜中の十二時に、心の携帯電話が鳴った。



…正体不明、『真夜中の十二時』。普通ならこんな電話、気持ち悪がって、二度と出るものかと言ったものだ。
ただ、心の場合は違った。

心は常に、孤独だった。別に、天涯孤独と言う訳でも無く、親もいれば、友達だっている。しかし、なぜかいつも満たされなかった。
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