CHAIN
「何かあったら一人ずつ逃げるんだ。
五人一緒だと目立つ。
逃亡ルートは五通り考えてある。
全員裏門で待ち合わせだ。
いいな?」

何より私が気になったのは、
仲間達がせっせと武器に
毒を塗っている事。
 

人を殺めるつもりなのだろうか?
ペルシアの壺は、
そんなに価値のある物なのか?

何度もゼノに詳しく聞こう
と思ったけど、やめた。
変にゼノに疑われたくない。

ついにその日が来てしまった。
私は罪悪感にかられ、
暗い気持ちで着替えていた。
王子にはあれ程お世話になったのに、
彼が住まう城を襲撃するなんて……
ものすごく恩知らずで、
愚かな事に思えた。
楓と兄弟も同じ事を考えているのか、
暗い顔で準備をしている。

十月一日、午後四時。
先に城へ向かうクイルを見送ると、
仲間達は武器を積み込み、
クイルの後を追った。

緊張でそわそわ落ち着かない私を、
凛がそっとなだめる。
「心配するな、桜。
俺がお前を守ってやる。
これが終わったら……」
「これが終わったら……?」
「いや、全て終わったら言うよ。」
< 53 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop