雨と傘と
涙が、零れ落ちた。

後から後から、どんどん流れていく。
拭うこともせずに私はその場に立ち尽くす。


朔ちゃん…


なんて酷くて、残酷な…キスだろう。
私の初めてのキスは、自分の醜さを曝け出すような行為だった。

春にいを付き合ってるのに。春にいの彼女なのに。

朔ちゃんとキスをした。

春にい…好きなの。

でも、罪悪感に支配されるべき胸は、喜びに震えている。
背徳感にまみれたキスは、狂おしい程に、気持ちがよくて。
こんなのおかしいよ。私は、おかしい。

朔ちゃんに触れたら、好きが溢れ出して、自分でもどうしようもなかった。




朔ちゃんの椅子にそっと座って、朔ちゃんの机に突っ伏した。

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