雨と傘と
「ハルとサクは、似てるけど、違うんだなー。ハルはいつも自分の思うように動いて、人を巻き込む、いい意味でね。けど、肝心なところで、優しさが出る…

…今回も、でしょ?」



俺は、息を飲む。兄貴の選択が、手に取るように分かってしまった。



「そうかもな。今さら朔人に対する姿勢を変えられないってか…俺の根本がそういうふうに出来てるのかもしれないな。」

「お兄ちゃんは、止められませんかー?」

「幸葉を、半分にするわけにはいかないさ。」








優しい兄貴は、大切なものや好きなものでも、俺に分け与えるんだ。
幼いころから、そうしてきたように。

また、俺に譲ろうとしていた。

この前、譲れないって言ったくせに。
苦しむ俺を、見捨てられないんだ。


優しすぎる兄に、涙が零れた。
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