契約恋愛~思い出に溺れて~
「はっきり言って、今は紗彩ちゃんも誰かの助けがいるような状態だろ?」
「そんなこと」
「あるよ。達雄が助けだったんだろ。でなきゃ2年も付き合う訳ないじゃんか、そんな固い頭の紗彩ちゃんが」
「なっ」
「その達雄と別れたことで、どんだけガチガチになってるか、自分でも分かってないんだろ。
子供のケアしてやれるほどの余裕、今のアンタにないじゃんか」
「そんな」
「達雄が言ってた」
「え?」
「紗彩ちゃんは、頼るのが苦手なんだって」
「達雄が?」
彼が、そんな事を?
「真面目で曲がった事は嫌い。なのに、自分とつき合うって事は、よっぽど旦那の死が堪えてるんだろうなって」
「……」
二人で会っている間、そんなこと一言だって言ったことなかったのに。
「どんなに割り切ったとしても、全く愛情が無かったら、2年も続く訳ないだろ。達雄だって。……紗彩ちゃんだって」
「……それは」
「アイツだって、心配してんだよ。ちょっとだけ気を緩めろよ。大丈夫だって。悪いようにするつもりはないから」